湘南どっこい神輿 甚句集

ここでは、湘南どっこい神輿に欠かせない甚句を紹介します。
甚句は一つの見せ場であり、甚句の最後に神輿は大きく上下にもまれます。
言い回し等は何パターンかありますので、ここに挙げるのが全てではありません。

せぇ〜 暁映ゆる
暁映ゆる湘南の 汐の流れは弛み無く
遠い昔の曾孫より 伝えて巡る相模灘
神輿の影は数を増し
三十〜余基のよぇ〜 鳳が舞う
せぇ〜 禊の汐に
禊の汐に身を清め 砂を蹴散らし駆け抜ける
御礼参りの慣わしは 感謝の心一筋に
肩から肩へ引き継がれ
神輿の群れはぇ〜 浜を練る
せぇ〜 娘十七、八 嫁入り盛り
箪笥長持鋏箱 これだけ持たせてやるからにゃ
二度と戻ると思うなよ
父さん母さん そりゃ無理よ
西が曇れば風とやら 東が曇れば雨となる
千石積んだる船でさえ
波風荒けりゃよ 出て戻る
せぇ〜 茅ヶ崎名物
茅ヶ崎名物左富士 上り下りの東海道
松の緑に(そよりそよそよ)吹く風は
昔も今も変わらねど
富士の高根と男伊達
相模おこのこ晴姿
せぇ〜 好いたお方と添えたいために
一で相州一の宮
二で日光の東照宮
三で讃岐の金毘羅さん
四で信濃の善光寺
五つ出雲のおおやしろ
六つ村々鎮守様
七つ成田のお不動さん
八つ八幡の八幡さん
九つ高野の弘法さん
十で東京の名高い招魂社
これだけ神願掛けたのに
好いたお方と添えぬなら
神や仏は いりゃしない
せぇ〜 頃は六月
頃は六月田植時
姉は妹に負けまいと
妹は姉に負けまいと
一所懸命 田植する
すると遥か向こうの彼方より
一羽の穴蜂飛んで来て
妹のオソソにちょいと止まり
姉さん姉さん取っとくれ
取ってやるのはやすけれど
昔故人の言うことにゃ
穴バチャ他人の手に掛かる
せぇ〜 裏のお庭に ほおずきがなっている
そこでほおずきの言うことにゃ
わしほど因果なものは無い
青いうちから見初められ
色気づくのを待ち兼ねて
知らぬ御方にもぎ取られ
穴の無いとこ無理矢理と
もんで〜 為されたよ〜 わが子達
せぇ〜 惚れた病を
惚れた病を治すには 六畳一間の真中で
六枚屏風(びょうぶ)を立て並べ 二つ枕に三つ布団
すいと入れたるその時にゃ
足は絡ませふじをつる
お手をぴったり抱き合わせ 汗は水仙よ玉椿
えっさほいさの掛け声で
一汗掻かねばよ〜 治りゃせぬ
せぇ〜 親が邪険で
売られましたか吉原に 十七八の小間使い
十九の春より店に出て
女将や姐さんの言うことにゃ
枕外せよ 身もやれよ
たまにはからすもたけとやり
そうすりゃお客も熱くなる
朝来て 昼来て 晩に来る
親の財産を使い込み 一文頂戴と角に立つ
そのときゃ知っても知らぬ顔
主はえ〜 お客でよ わしゃ勤め
せぇ〜 めでた めでたの 若松様よ
恵比寿 大黒 福の神
睦月祝って鶴が舞う
梅に鴬 如月の
弥生 桜に酒を酌み
卯月に 踊る若鮎が 流れに挑む伊達姿
八十八夜の五月晴れ
しゃくやく牡丹に 水無月の
蛍飛び交う 文月の
葉月 日照に雨乞いよ
長月 実りの秋祭り
すすきが招く 神無月
傘させ すそさせ 霜月の
師走の富士の立て姿
松を〜 恋しとよ〜 雪化粧
せぇ〜 村の勘兵衛さんが
お鉄砲担いでよ〜 猪をば退治に
一山越せども猪おらん
二山越せども猪おらん
三山の奥のその奥で どんと撃ったる二つ玉
猪かと思えば旅の方 縞の財布に五十両
お貸しくだされよ〜 旅の方
せぇ〜 夏の涼みは
夏の涼みは両国の 出船 入船 屋形船
上がる流星よ星降り
玉屋が取り持つよ〜 縁かいな
せぇ〜 さてはこの場の 皆様方よ
年の初めの新緑の 松を楽しむ正月よ
二月に咲いたる梅の花
三月盛りの八重桜
四月上から下り藤
五月の梅雨に咲く花は 菖蒲 なだいに 杜若
六月牡丹に蝶が舞う
七月野原に咲く萩に
照らす八月たもとぐみ
心地良く見る九月菊
十月紅葉に鳴く鹿の
十一月の垂柳
小野の道風(とうふう)じゃないけれど
蛙見つめりゃよ〜 きりが無い
せぇ〜 雨がしょぼしょぼ
とこ 姐さん小田原ちょうちん 蛇の目の唐傘
からから 駒下駄 ちょいと姐さんこんばんは
昨夜のお客と思ったり
愛しいお方と出てみれば
三十日の晩の借金取りとは 情けなや
せぇ〜 私ゃ茅ヶ崎 荒波育ち
波も荒けりゃ 気も荒い
せぇ〜 白鷺みたいな お方に惚れて
カラスみたいに 苦労する
せぇ〜 めでためでたの 若松様よ
庭に鶴亀 五葉の松
せぇ〜 咲いて見事な 小田原つつじ
元は箱根のよ 山つつじ
せぇ〜 信州信濃の 新蕎麦よりも
私ゃあなたの そばがよい
せぇ〜 色で売り出す スイカでさえも
中にゃ苦労の 種がある
せぇ〜 さしたさかずき 中見てあがれ
中にゃ鶴亀 五葉の松
せぇ〜 神輿担ぐよな いなせなねえさんと
共に苦労がしてみたい
せぇ〜 松になりたい 並木の松に
諸国大名下に見る
せぇ〜 書いた文(ふみ)さえ 読めない私
なんで白紙がよめましょか
せぇ〜 川中流るる 古木でさえも
ほたるに一夜の宿を貸す
せぇ〜 今日はうれしや 皆様一座
明日はどなたと一座やら

この他にも多くの甚句があります。
リンクさせてもらっているいつくかのHPにも紹介されてますよ。

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